骨がなくてもインプラントができる!?骨造成とは
入れ歯やブリッジなどと比較して、他の歯や歯ぐきに負担をかけずにしっかり噛めるのがインプラントのメリットです。土台を顎の骨に直接埋め込み固定することで、インプラントが安定します。
そのため、顎の骨の状態はインプラント治療の成功を左右するといえるほど、重要なものです。治療前の検査で、顎の骨が少ない、または厚みがないと判断されると、インプラント治療を断られることがあります。
なぜなら、インプラントをせっかく埋入しても、土台を支えられなかったり、歯ぐきを突き破ったりする恐れがあるからです。しかし、骨の量を補う「骨造成」を行えば、インプラント治療を行える可能性があります。
他院でインプラント治療を断られた方もあきらめないで、当院にご相談ください。
骨がやせ細っていく理由
骨吸収
歯が抜けると、これまで歯を支えていた骨は役割を失います。さらに、噛むことによって受けていた刺激もなくなり、骨は退化して吸収されていくのです。
歯を失った期間が長くなればなるほど、骨がやせ細っていくので、インプラント治療をお考えの方は早めにご相談ください。
進行した歯周病
歯周病が進行すると、歯ぐきだけでなく骨も溶けてしまいます。歯が抜け落ちるほどまで進行しているケースでは、骨がほとんど残っていないこともあります。
合わない入れ歯を長期間お使いの場合
合わない入れ歯を使っていると、骨に負担がかかり、骨がやせていきます。放っておくと、噛み合わせが乱れていき、ますます入れ歯が合わなくなるので、早めの対処が必要です。
骨造成とは
やせてしまった骨の再生を促し、量を増やす治療を「骨造成」とよびます。
骨造成には、複数の方法がありますが、治療を行う部位や残っている骨の状態によって、適した方法を選びます。
GBR(骨誘導再生)法
骨の量が少なく、インプラントを支えるのに十分な幅や高さがないときに、GBR法という方法で骨を増やします。
骨が足りない部分にご自身の骨や骨補填材を移植して、メンブレンという特殊な膜で保護します。個人差はありますが、3カ月から半年ほどで、骨を増やすことができます。
また、残っている骨の量によってインプラント埋入と同時に行う方法(同時法)と、GBRのみ先に行って骨を増やしてから埋入手術を行う方法(待時法)があります。
GBR法の流れ(同時法の場合)
- 歯ぐきをひらいてインプラントを埋入します。
- インプラント周辺の骨が少ない部分に、自家骨または骨補填材をいれてメンブレンで保護します。
- 数カ月から半年で骨が再生されます。
- 骨が再生されて、インプラントの結合が確認できたら、人工歯を装着します。
サイナスリフト
上顎の骨に十分な高さがないときに行う方法です。
上顎の骨の内部には空洞があり、骨がやせ細ることで、空洞はさらに大きくなります。
空洞を底から持ち上げて骨との間にスペースを作り、そこに骨補填材を入れて再生を促します。こちらも、残っている骨の量によってインプラント埋入と同時に行う方法(同時法)と、サイナスリフトを先に行って骨を増やしてから埋入手術をする方法
待時法)があります。
サイナスリフトの治療の流れ(同時法の場合)
- インプラントを埋入します。
- その後、空洞部分に歯ぐき側から穴をあけてそこから骨補填剤を入れます。
- 骨が再生するのを待ちます
- インプラントと骨が結合されたのを確認できたら、人工歯を取り付けます。
ソケットリフト
サイナスリフトと同様に、上顎内部の空洞に骨を再生させる方法です。増やしたい骨の量が少ないときに、ソケットリフトを行います。インプラントを埋入する穴を使用するので、サイナスリフトと比較して傷口が小さく負担が少ない治療です。
ソケットリフト治療の流れ
- インプラントを埋入する部分にドリルで穴をあけます。
- あけた穴から骨補填材を入れて、空洞を持ち上げます。
- インプラントを埋入して、骨と結合するのを待ちます。
- 骨とインプラントがしっかりと結合したのを確認してから、人工歯を装着します。
骨造成のメリット
インプラントが長持ちする
骨の量が増えることで、しっかりと支えられるようになり、インプラントが安定します。
脱落のリスクが低下するため、長くお使いいただけます。
噛み合わせが整う
骨の高さが揃うと、まわりの歯との調和が取れます。しっかり噛めるようになるだけでなく、見た目もきれいに整います。
骨造成のデメリット
治療に時間がかかる
骨が結合して再生するまでには時間がかかります。個人差はありますが、インプラント治療と合わせて1年ほどかかる方も。治療を始める前に、どのくらい時間がかかるかを具体的にご説明しますので、計画的に治療を進めましょう。
治療が適さない方がいる
持病や生活習慣によって、骨が定着しにくいことがあります。喫煙の習慣は定着しにくいだけでなく、治療後の脱落リスクも高めますので、注意が必要です。
手術を伴いますので、全身の状態とも関係します。持病がある方やお薬を服用されている方は、主治医の意見も聞きながら、治療できるか検討しましょう。
インプラントは天然の歯と変わらない噛み心地を再現します。しっかり噛めるだけでなく、見た目も自然に仕上がり、生活の質を向上させるものです。歯科医師の中には自らが提供可能な選択肢しか提示しない方もおられますが、当院では大学病院で長年インプラントを行ってきたスタッフが対応致しますので、一度断られてもあきらめずに、治療ができる方法を一緒に考えましょう。
お口の状態や全身の健康状態によっては、骨造成ができないこともあります。その場合も、患者様のライフスタイルに合わせて最適な方法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
当院の当院のインプラント6つの特徴についてはこちらもご覧ください。
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫