削って治すべき虫歯と削らないで大丈夫な虫歯ってあるの?
虫歯は細菌による感染症です。
そのため、一度進行すると、自然に治ることはなく段階的に進行します。
そこで、進行を食い止めるために、感染部分を削って詰め物や被せ物で補う治療を行うのが一般的です。
けれども、必ずしもすべてのケースで、歯を削るわけではありません。
なかには、削る治療を行わなくて済む虫歯があるのです。
ここでは、削る治療が必要な虫歯と削る治療が必要ない虫歯について、お話しします。
削って治すべき虫歯とは?
虫歯は、進行状態によって「活動性」と「非活動性」に分けられます。
活動性の虫歯は明褐色や黄色に変色していることが多く、非活動性の虫歯は暗褐色や黒色をしています。
放っておくとどんどん進行する「活動性の虫歯」の場合、できるだけ早く治療を行うことが大切です。
「活動性の虫歯」には次のような特徴があります。
- 穴があいている
- プラークが多く残っている
- 食べものが挟まる
- 虫歯の表面がボソボソしている
- 象牙質深くまで進行している
削らなくてもいい虫歯とは?
「非活動性の虫歯」の場合は、すぐに削る治療は行いません。
なぜなら、「非活動性の虫歯」は初期の段階(CO)で進行が止まっているからです。
進行がストップした状態で、硬くなり黒ずんでいるのが特徴で、COで止まっているため、穴も開いていません。
また、初期の段階で虫歯に気付いた場合も、すぐに削る治療を行うのではなく、毎日行う歯磨きなどのセルフケアの見直しやフッ素塗布を行い、経過を観察します。
以前は、歯の表面からミネラル分が溶け出す「脱灰」が起きているレベルの虫歯であっても、削る治療を行っていました。
けれども最近では、削らずに「再石灰化」を促して、お口の環境を整えることが優先されています。
削らない「非活動性の虫歯」の特徴は以下の通りです。
- 虫歯の感染範囲がエナメル質内に留まっている
- 象牙質まで進行しているものの穴はあいていない
- 歯根が0.5mm以上残っている
ただし、清掃状態や食習慣が変わることで、「非活動性の虫歯」が「活動性の虫歯」になることもあるので定期的に歯科でチェックを受けましょう。
削らない虫歯治療では何をするの?
虫歯の原因は、「糖」「虫歯菌」「歯質」にあると考えられています。
削らないからといって、何もしなくていいわけではありません。
「非活動性の虫歯」が「活動性の虫歯」に変わらないように、日々の生活習慣を見直しましょう。
食生活の改善
虫歯菌は、砂糖や炭水化物に含まれている「でんぷん」を好みます。
炭水化物中心の食事ではなく、バランスの取れた食事を心がけましょう。
一日のうちに何度も食べたりダラダラ食べたりするのではなく、時間を決めて、「食べたら磨く」を徹底してください。
また、意識して「噛む」ことも大切です。
噛むことで唾液の分泌が促されます。
唾液には、
- お口の中の汚れを洗い流す
- 再石灰化を促す
- 酸性に傾いたお口の中を中和する
といった働きがあり、虫歯予防に効果的です。
食事の際は、「1口30回」を心がけて、しっかりと噛むようにしましょう。
歯磨きの見直し
日本では、歯磨きの習慣が定着していて、1日2回以上歯を磨く方がほとんどです。
けれども、虫歯になる方の割合は高く、「歯磨きだけでは虫歯を予防できない」ことがわかります。
特に、自己流の磨き方になっている方や流れ作業のように磨いている方は注意が必要です。
お口の状態に合った磨き方で、効果的に汚れを取り除き、虫歯菌を減らしましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用するのも効果的です。
歯磨きでは落としきれない汚れは、歯科のクリーニングを利用して取り除きましょう。
フッ素塗布
フッ素には、次のような働きがあり、虫歯を予防する効果があるといわれています。
- エナメル質に働きかけより強い結晶構造へと変化させる
- 虫歯菌の働きを抑える
- 歯から溶け出したミネラル分をもとに戻す
歯科医院で使用するのは、「フッ化物」と呼ばれるもので、適量を守ってご使用いただければ、人体に悪い影響を及ぼす恐れはありません。
フッ素は、子どもだけでなく大人にも塗布することができます。
虫歯治療は甲府向町歯科にご相談ください
2022年度の「歯科疾患実態調査」によると、虫歯の処置歯または未処置の虫歯を持つ方の割合が、25歳以上では80%以上と高く、特に45歳以上、50歳未満、55歳以上60歳未満、65歳以上70歳未満では100%に近いことがわかります。
虫歯は、私たちにとって非常に身近な病気といえるでしょう。
参考:厚生労働省 「令和4年度 歯科疾患実態調査 結果の概要」p8、表7より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
当院では、「活動性の虫歯」「非活動性の虫歯」をしっかりと見極めて、適切な治療をご提案します。
削る必要のない虫歯の場合も、進行することがないように、お口のケアを継続しながら定期的に経過を観察します。
時間の経過とともに、「活動性の虫歯」となり、削る治療が必要になれば、早期治療することで重症化を防ぐことが可能です。
甲府向町歯科は、土曜17時・平日19時まで診療しています。
お休みの日や通勤帰りなどライフスタイルに合わせて、無理なく通院できる歯医者です。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすもそのままお入りいただけますので、ご家族皆様でお越しください。
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫