奥歯に痛みが。これは親知らず?
奥歯に痛みがある原因はさまざまなものが考えられます。
親知らずが原因の場合もありますし、むし歯が悪化して痛みを感じているのかもしれません。
あるいは、そのほかに原因がある可能性も。
「奥歯がズキズキと痛む」といった継続した痛みから「たまに奥歯が痛くなる」という痛みまで、お口に違和感が生じたら、できるだけ早く歯医者を受診して、痛みを根本から治療するようにしましょう。
奥歯が痛い5つの原因
奥歯が痛くなる原因は、大きく分けて5つあります。
ひとつずつ説明しますので、奥歯の痛みがある方は参考にしてください。
【原因1.親知らず】
親知らずとは、一番奥歯に生えてくる歯のことで「智歯」ともよばれています。
他の永久歯より遅れて、10代後半ごろから生えてくる歯です。
生え方には個人差があり、歯ぐきに埋まったままの方や、横向きに生えている方、もともと親知らずがない方などさまざまです。
まっすぐきれいに生えていても、歯ブラシが届きにくく、むし歯のリスクが高くなる傾向にあります。
この親知らずが痛む原因として考えられるのは、親知らず周辺の歯ぐきが腫れて炎症を起こす「智歯周囲炎」です。
まっすぐ生えていても汚れがたまりやすい親知らずですから、横向きに生えている、歯ぐきに半分埋まっている、などといった親知らずは、より不衛生になりやすいです。
疲れがたまっているときや、抵抗力が弱っているときなどに症状があらわれやすく、炎症を繰り返すケースも。
悪化すると炎症が広がり、お口が開かなくなったり、お顔まで腫れたりすることもあります。
まっすぐ生えているようなら必ずしも抜く必要はありませんが、痛みを繰り返すようなら、抜歯を検討しましょう。
親知らずが生えている方は、痛みが出る前に歯科医院で生え方をチェックしてもらうことをおすすめします。
【原因2.むし歯】
むし歯は初期の段階では、自覚できる症状がほとんどありません。
そのため、痛みを感じるということは、進行したむし歯である可能性が高いです。
また、治療済みの歯でも、詰め物や被せ物の下でむし歯が再発している可能性もあります。
奥歯は、溝が深いので汚れがたまりやすく、むし歯になるリスクが高い歯といえます。
むし歯は初期状態で発見できると、痛みのほとんどない治療で済む可能性が高いです。
むし歯を早期発見するためにも、歯医者の定期検診を継続して受けるようにしましょう。
【原因3.歯髄炎】
歯の中心にある歯髄(神経と血管が通っている組織部分)に炎症が起こる歯髄炎は、強い痛みを感じるケースが多く、悪化すると顎全体の痛みや頭痛などの症状を引き起こします。
歯髄炎になる原因は、むし歯を放置していたことのほかに、ケガによるものもあります。
症状の程度を見極め歯の神経を残すこともありますが、炎症が回復しない場合は、感染した神経や血管を取り除く「根管治療」を行う場合もあります。
また、我慢しているうちに痛みを感じなくなった、というケースもありますが、それは治ったのではなく、神経が死んでしまった可能性があります。
この状態を放置していると、近先生歯周炎といって、感染がさらに広がり歯の根の先端に膿がたまり、ふたたび強い痛みや腫れを引き起こすこともあります。
そうならないためにも、奥歯に痛みを感じたら、できるだけ早く歯医者を受診しましょう。
【原因4.歯周病】
歯周病は、細菌の感染によって歯ぐきに炎症を引き起こす病気です。
歯ぐきや歯を支える骨を溶かし、悪化すると歯が抜けてしまいます。
日本人が歯を失う1番の原因が歯周病で、30代以上の3人に2人がかかっているという調査結果があるほど、誰でも感染する可能性のある病気です。
参考[https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-01.pdf
歯周ポケットの保有者の割合、年齢階級別]:厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」
奥歯は、磨き残しが多いため歯周病になりやすく、歯ぐきが痛む症状もあらわれやすい特徴があります。
歯周病予防の基本はご家庭での丁寧な歯磨きと、歯医者での予防ケア・クリーニングです。
歯科医院では、磨き残しの多い場所の効果的なブラッシング方法や、お口の汚れの除去率をあげるデンタルグッズの選び方、使い方のアドバイスもしています。
【原因5.歯ぎしり・歯の食いしばり】
歯ぎしりや歯の食いしばりは、歯に非常に強い力をかけています。
通常、食事をするときにかかる歯の力は自分の体重程度といわれていますが、睡眠中に激しい歯ぎしりをする方は100㎏以上の力がかかる方がいると報告されています。[日本顎口腔機能学会雑誌/19 巻 (2012) 2 号/書誌
原著論文
睡眠時ブラキシズムの筋電図%MVC表示と最大咬合力の関係
菱川 龍樹, 山口 泰彦, 斎藤 未來, 三上 紗季, 後藤田 章人, 岡田 和樹
著者情報
キーワード: 睡眠時ブラキシズム, 最大随意咬みしめ, 最大咬合力, %MVC 値, 筋電図
ジャーナル フリー
2013 年 19 巻 2 号 p. 111-124
DOI https://doi.org/10.7144/sgf.19.111]。
そのような強い力を長時間与えてしまうため、歯や歯ぐき、顎などに大きな負担をかけてしまうのです。
また、歯ぎしりが原因で、歯の根っこの周りを覆っている「歯根膜」に炎症を起こすケースがあります。
上下、左右ともに奥歯が痛かったり、痛い場所が変わったりする場合は、歯ぎしりや歯の食いしばりが原因の「歯根膜炎」かもしれません。
歯ぎしりや歯の食いしばりは、歯科医院のマウスピースを使った治療で、症状が緩和できる可能性があります。
歯根膜炎は歯周病が進行する要因にもなりますので、「歯ぎしりはクセだから……」と放置せずに、歯科医院までご相談ください。
奥歯の痛みはできるだけ早く歯医者を受診しましょう
奥歯に痛みを感じたら、早めに歯科医院を受診して原因を突き止め、治療を行いましょう。
放置していてもひどくなることがほとんどです。
早期治療ができれば、軽い治療で済む可能性があるため、痛みも少なく、治療期間も短くなります。
甲府市向町の「甲府向町歯科」では、土曜も17時まで診療していますので、平日は忙しい方もお気軽にご来院ください。
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