噛める入れ歯と噛めない入れ歯の違いは?
金属床による義歯の剛性、リジットサポートの義歯について
入れ歯を使っていて、「しっかり噛めない」とお悩みの方はいらっしゃいますか?
入れ歯は、歯を失っても噛める状態を維持するために使用するものです。
2022年度の歯科疾患実態調査によると、20.1%の方が「部分入れ歯」を、8.7%の方が「総入れ歯」をお使いです。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p16 表14より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
噛めていない状態をそのままにしていると、残っている歯や歯ぐきに負担をかけたり、傷つけたりする恐れがあります。
また、しっかりと噛めないことで、全身の健康にも悪い影響を及ぼします。
ここでは、しっかり噛める入れ歯と噛めない入れ歯の違いについてお話しします。
噛める入れ歯と噛めない入れ歯の違いとは?
しっかり噛めない入れ歯とは、どのような入れ歯でしょうか。
- ・お口に合っていない
- ・かみ合わせが考慮されていない
- ・痛みがある
- ・ズレやすい
しっかりと噛むことができない入れ歯を使っていると、特定の場所に負担がかかる恐れがあります。
また、咀嚼(そしゃく)力が低下することから、食べられるものが限られて、栄養が偏りがちになるといった懸念もあります。
食事や会話の途中でズレることがあるため、人との接触を避けるようになる方もいて、日常生活に支障をきたすようになるのです。
一方、しっかり噛める入れ歯の特徴は、なによりも「動かない」ことです。
入れ歯のお悩みに多い「外れやすい」「痛い」というのは、入れ歯が動くことで起こります。
入れ歯はブリッジやインプラントとは異なり、取り外しができますので、ある程度動くのは仕方ないことでしょう。
けれども、素材や構造にこだわって、動きにくい入れ歯を作ることはできます。
噛める入れ歯
一般的に、保険診療の範囲内で製作した入れ歯は「噛めない」と感じられる方が多い傾向にあります。
その理由として、入れ歯に使用する材料や入れ歯の製造工程に限りがあるからです。
保険診療の入れ歯は、プラスチックで製作されています。
プラスチックは耐久性が弱いので、長持ちさせるために厚みを持たせて製作する必要があります。
そのため、
- ・圧迫感がある
- ・フィットしない
- ・噛みにくい
といったお悩みの原因になるのです。
保険診療の入れ歯には、費用面や製作にかかる期間など、メリットとされる点もあります。
当院では、選択肢のひとつとして、自由診療の入れ歯をご提案することがあります。
それぞれのメリットやデメリットをわかりやすくご説明しますので、ご自身に合う入れ歯を選びましょう。
金属床義歯
歯ぐきにあたる部分が、金属で作られている入れ歯です。
金属はプラスチックレジンよりも、
・硬度が高い
・「剛性」に優れていて、力に対して変形しにくい
・粘り強さを示す「靭性(じんせい)」も高く、外側からの力によって破壊されにくい
といった性質を持ちます。
そのため、部分的に金属を使用して作られた入れ歯は、薄くて変形しにくいといった特徴があります。
歯ぐきにあたる「床」の部分を、薄く仕上げることで、しっかりと噛むことができるのです。
ほかにも、金属には、熱を伝える働きもありますので、金属床義歯であれば「温かいものは温かく」食べていただくことが可能です。
※金属床義歯は自由診療の入れ歯です。
リジットサポートの義歯
「リジッドサポート」の義歯とは、支台となる歯と入れ歯を強固に連結するように設計された「部分床義歯」です。
保険診療の入れ歯などで使用される「バネ」を使用しない、「内冠」「外冠」の2重構造でできたはめ込み式の入れ歯です。
内冠と外冠をぴったり合わせて作ることで、摩擦力を利用して、義歯を安定させます。
リジットサポートの義歯を製作するプロセス
- ・支台となる歯を削って形を整え、内冠を装着します。
- ・内冠に合わせて外冠を作って、内冠の上に装着します。
リジットサポートの義歯の特徴
リジットサポートの義歯には次のような特徴があります。
- ・しっかりと安定してよく噛める
- ・天然の歯とほぼ同じサイズで口の中の違和感が少ない。
- ・シンプルな構造でお手入れしやすい
- ・バネを使用しないので見た目が自然に仕上がる
- ・外科手術などが不要で身体への負担が少ない
入れ歯治療は甲府向町歯科におまかせください
当院は、入れ歯治療を得意としています。
義歯(入れ歯)を支える粘膜の性質と痛みの関係を研究し、エビデンスに基づいた歯科治療計画を立てて、快適にお使いいただける入れ歯をご提案します。
「しっかり噛めない」といったお悩みは、そのままにせずにお気軽にご相談ください。
甲府向町歯科は、土曜17時・平日19時まで診療しています。
お休みの日や通勤帰りなどライフスタイルに合わせて、無理なく通院できる歯医者です。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすもそのままお入りいただけますので、ご家族皆様で定期検診にお越しください。
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫