フッ素の有効性(歯磨き粉、フルオールゼリー)
「フッ素入り」や「フッ素配合」といったことが書かれてる歯磨き粉を、普段から購入されている方もいらっしゃるでしょう。
歯科医院でも、「虫歯予防にフッ素を塗っておきましょう」といわれたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
コマーシャルなどでもよく聞かれる「フッ素」ですが、実際にどのような有効性があるのでしょうか。
今回は、フッ素が入った歯磨き粉やフッ素を歯に塗ることで、どのような効果を得られるのかを説明します。
フッ素とは
フッ素とは、天然に存在する元素の1つです。
自然界では、単体として存在することはなく、フッ素のマイナスと別のもののプラスのイオンが結合した「フッ素化合物」として存在しています。
例えば歯磨き粉には、一般的に「フッ化ナトリウム」が使用されています。
これは、「フッ化物イオン(マイナスイオン)」と「ナトリウムイオン(プラスイオン)」が結合したものです。
このフッ素は、虫歯の発生を防ぎ、予防に有効であるとされています。
フッ素は虫歯予防に効果的
フッ素には、虫歯予防が期待できる3つの働きがあります。
- ・虫歯菌が出す酸によって溶けたエナメル質の修復を促進する
- ・歯の質を強化する
- ・虫歯菌の活動を弱める
フッ素にはこれらの働きが期待できるため、歯科医院でも、定期的にフッ素塗布を行っています。
継続して塗布することが大切で、少なくとも年に2回、可能であれば、年4回塗布するのが望ましいといわれています。
効果は対象者の年齢やお口の環境にもよるとされていますが、定期的に塗布することで20~30%はう蝕の発生が抑制されるとされており、特に乳幼児に定期的に継続して実施した結果、虫歯をほぼ半分に減少させたといった報告もあるほどなのです。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「フッ化物歯面塗布」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-008.html
フッ素が含まれている歯磨き粉とは
毎日の歯磨きに、適切な量のフッ素が配合された歯磨き粉を使って歯みがきを行えば、より効果的な虫歯予防が期待できます。
歯磨き粉を使った虫歯予防は、子どもからシニアの方まで、幅広い年代の方にご利用いただけます。
むし歯予防のための「フッ化物」は安全に配慮されたものですが、過剰摂取は身体に悪影響を及ぼすことがあります。
「薬用歯みがき類製造販売承認基準」といった決まりによって、薬局やスーパーなどで販売されているフッ化物イオンの濃度は1500ppmF以下に定められています。
「ppm」とは、「parts per million(パーツ・パー・ミリオン)」のことです。
これは単位ではなく、「100万分の1」という割合のことで、1500ppmFとは、1g中にフッ素が1.5mg入っていることを表しています。
ちなみに、6歳未満の子ども向けには、1000ppmF以下とされているため、濃度を確認の上、購入を検討しましょう。
参照:厚生労働省「フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2506&dataType=1
フッ素配合の歯磨き粉の種類
フッ素が配合された歯磨き粉の種類は、ペースト状のものが一般的ですが、ジェル状や泡状のものなどもありますので、使いやすいものをお選びください。
ペースト状の歯磨き粉
発泡剤が含まれているものが多く、泡立ちがよいのが特徴です。
少しの量でお口のすみずみまでスッキリします。
種類も多いので、好みの味のものを選びましょう。
ジェル状の歯磨き粉
ジェル状なので、歯と歯のすき間などにしっかりフッ素の成分を浸透させることができます。
発泡剤は使われていないので、鏡などで1本1本チェックしながら磨くことも可能です。
泡状の歯磨き粉
歯ブラシにのせても垂れにくく、フッ素を含んだ細かい泡が、お口のすみずみまでいきわたります。
フッ素入り歯磨き粉を使うときのポイント
フッ素が配合された歯磨き粉を使用するときは、お口の中のフッ素をできるだけ残すように心がけましょう。
お口をすすぐときは、1回軽くすすぐ程度にとどめることで、お口の中に多くのフッ素が残り、虫歯予防に効果的です。
また、フッ素塗布後に食べものや飲みものを摂取することも30分間は控えるようにしましょう。
歯科で使用しているフッ素塗布剤「フルオールゼリー」
フッ素は、生えたばかりの乳歯や永久歯に塗布することで、虫歯予防に高い効果を発揮しますが、矯正治療を行っている方や虫歯のリスクが高いシニアの方などにも有効です。
一般に販売されている歯磨き粉と違って、歯科医院では高濃度のフッ化物を使用することが可能です。
当院で使用しているフッ素塗布剤は、「フルオールゼリー」といわれるもので、フッ素の濃度は9000ppmです。
リンゴの香りがする薬剤で、小さなお子様でも抵抗少なくご使用いただけます。
当院では定期検診の際などに患者様の状況やご希望にあわせて、歯科医師や歯科衛生士などが安全性に配慮して実施しております。。
予防ケアは甲府向町歯科までお越しください
フッ素塗布は、お子様がするものと思われている方もいらっしゃいますが、年齢にかかわらず行うことができます。
虫歯や歯周病は、適切なケアで予防できる病気ですので、毎日の歯磨きにフッ素配合の歯磨き粉を使用した上で、歯科医院で定期検診を行いフッ素塗布を行いましょう。
甲府市の歯医者「甲府向町歯科」では、患者様お一人お一人に合わせた予防ケアをご提案しています。
虫歯になりにくいお口をめざして、一緒に健康な歯を作っていきましょう。
山梨県甲府市向町290-3
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫