悪くもない歯を抜かれた、という話を聞くけど、なぜ？
知り合いやご友人から、「歯科医院で歯を抜かれた」という話を聞いたことはありますか？
生まれ持った歯を抜くことは、とてもショックなことだとお察しします。
さらに、抜かれた歯が「悪くもない歯」であったとしたら、どうでしょう。
一般的に、抜歯を判断する目安のようなものがあり、お口の状態や年齢なども考慮し、総合的に「抜歯」を提案することがあります。
できるだけ歯を残すことをめざしますが、状況によっては抜歯が避けられないケースもあるのが現状です。
また、その歯を残すことでまわりの健康な歯や歯周組織に悪影響を与えてしまう場合も、抜歯をおすすめすることがあります。
ここでは、抜歯をご提案する目安と、抜歯後の治療法についてお話しします。
抜歯をご提案するケース
次のようなケースでは抜歯をご提案します。
・重度の虫歯
虫歯が進行し、歯の内部にある神経に達すると、激しい痛みを伴います。
神経がすべて死んでしまうと、痛みはなくなりますが、虫歯菌がなくなったわけではありません。
そのままにしていると、歯の根の先に、膿が溜まります。
精密検査で、「根管治療を行っても改善の見込みがない」「隣の歯や顎の骨に悪影響を及ぼす」と判断される場合は抜歯を選択します。
また、歯ぐきより上の部分がほとんど溶かされて、歯の根しか残っていない場合も、抜歯を検討します。
・重度の歯周病
歯周病は歯を失う原因第1位の病気です。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶かされて、歯がグラグラしてきます。
そのままにしておくと周りの歯を支える骨にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、抜歯を検討します。
参考：厚生労働省eヘルスネット「歯の喪失の原因」より
・歯が割れている
なんらかの外的な衝撃で歯が根元まで割れていて、割れた部分から細菌感染が起こった場合は、抜歯を検討します。
ヒビの入った部分を起点として、まわりの骨が溶け出す恐れがありますので、食い止めるためには抜歯が必要です。
・ほかの歯に悪影響を与えている
次のようなケースでは、ほかの歯に悪い影響を与える恐れがあります。
- 斜めに生えていて前の歯を押している親知らず
- 永久歯への生え変わりを阻害している乳歯
- 歯並びに悪影響を与える生え方をしている乳歯
しばらくすれば自然に抜ける可能性がある乳歯でも、痛みがあったり日常生活に支障をきたしたりする場合は、抜歯を選択します。
・骨を守るために
歯が顎の骨を圧迫し、骨の吸収を促している場合は、抜歯を検討します。
そのままにしていると、顎の骨が吸収されて、痩せ細る可能性があります。
将来的にインプラント治療を行うときに、顎の骨が痩せてしまっていて治療を行えないといったことが起こる可能性があるのです。
抜こうかどうか迷っているうちに、持病が悪化したり、お薬が増えたりしてしまうと、「もっと早く抜いておけばよかった」というケースもあります。
抜歯後の選択肢
抜歯後は、患者さまのご要望やライフスタイルに合わせて、適切な治療をご提案します。
それぞれの治療方法のメリット・デメリットを丁寧にわかりやすくご説明しますので、どの治療を選ぶか一緒に考えましょう。
・入れ歯（義歯）
ほとんどのケースで適用可能な治療法です。
使用材料や条件を満たせば、保険の範囲内で製作できます。
入れ歯の種類によっては、噛む力が弱く、「しっかりと噛めない」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。
・ブリッジ
両隣に健康な歯があれば、両隣の歯を柱にして橋を渡すようにかける「ブリッジ」という方法をお選びいただけます。
条件はありますが、保険の範囲内で治療を行うことが可能です。
柱とするために、両隣の歯を削る必要があり、柱となる歯の状態によって寿命が左右されます。
・インプラント治療
失った部分の顎の骨にインプラントを埋め込んで、上部に人工歯を装着します。
顎の骨に埋め込むことで、しっかりと安定し、天然の歯のような見た目と噛み心地が再現されます。
基本的に保険が適用されないため、費用面での負担が大きくなります。
けれども、骨の状態や持病などによって、治療を行えない場合もあります。
抜歯といわれた場合は「甲府向町歯科」にご相談ください
当院では、歯科用CTを活用した診断・治療を行っています。
そのため、他院で抜歯が必要といわれた歯でも残せる場合があります。
けれども、残すのが「いい治療」であるとは限りません。
場合によっては他の歯を守るために、抜歯をご提案することもあります。
その場合は、「歯を抜いたほうがいい理由」や「残した場合のリスク」についても丁寧にわかりやすく説明し、ご同意の元で治療を進めます。
甲府向町歯科は、土曜17時・平日19時まで診療していますので、お休みの日や通勤帰りなどライフスタイルに合わせて、ご来院ください。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすもそのままお入りいただけますので、お子さまからシニア世代の方まで快適にお過ごしいただけます。
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫