【保険診療】歯周病の再発を予防する「歯周病安定期治療(SPT)」とは?
歯周病の治療が終わったら、普段通りの生活を送ろうと考えている方も多いでしょう。
しかし、歯周病は細菌感染症のため再発するリスクがあります。
そのため、治療を終えても歯医者で定期的にお口の中のケアを受けることが大切です。
今回は、歯周病治療後に受ける「歯周病安定期治療(SPT)」を紹介します。
歯周病安定期治療(SPT)はどのような場合に受けるの?
1.歯周病安定期治療(SPT)とは?
SPT(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)とは、歯周病治療を終えて安定したお口の中を維持するために、歯科医師や歯科衛生士が定期的に治療や管理をすることです。
歯周病治療を終えたら1〜3ヶ月に1回など定期検診を受ける場合では、保険が適用されませんでした。
しかし、2016年の保険の改定により、歯周病の基本的な治療を終えた後の歯周病予防治療は、保険が適用できるようになったのです。
2.歯周病安定期治療に移行するタイミングとは?
SPTに移行するためには、歯周病の基本治療を行います。
歯周病の軽度の歯周病の方には、歯科衛生士による歯磨き指導を歯ブラシやデンタルフロスなどを用いて行います。
また、歯周病の原因となる細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」や、歯垢が硬くなった「歯石」をスケーリングという専用の器具を用いて、丁寧に取り除き病状を安定させるのです。
重度の歯周病の方には、歯磨き指導とスケーリングを行い、それでも改善されなければ外科手術で歯ぐきの回復や顎の骨の再生をする治療を行います。
一連の治療を終えたら、歯ぐきの再検査を行い、一部4mm以上の歯周ポケット(病的な歯と歯ぐきの間の溝)がある場合などに、SPTへ移行するのです。
歯周病安定期治療(SPT)の内容
歯周病安定期治療では、どのような治療や管理をするのでしょうか。
・プラークコントロール
歯磨きが適切に行われているか、歯垢の付着度をチェックします。
必要に応じて歯を赤色に染め出して、歯垢を目で見えるようにしたて、歯磨き指導を行います。
・スケーリング
歯の表面に付着している歯垢や歯石を専用の機器「スケーラー」で取り除きます。
スケーラーは、機械や手用のものがあり歯ぐきの状態や付着具合に合わせて選択いたします。
・ルートプレーニング
歯と歯ぐきの間に付着している、歯垢や歯石を取り除く治療です。
歯の根っこの汚れを取り除いて、ツルツルに仕上げることで汚れの再付着を予防します。
・かみ合わせの調整
かみ合わせの不調により歯周病を悪化させることもあるため、被せ物やインプラント、入れ歯の調整を定期的に行います。
基本的には3ヶ月ごとに治療を受けることができますが、外科手術を受けた場合は間隔を短くして通っていただくことが可能です。また、当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に認定されておりますので、歯周病の状況に不安がある場合にも間隔を短くして通っていただけます。
(出典:厚生労働省_令和4年度診療報酬改定説明資料等について_「令和4年度診療報酬改定の概要(歯科)」[https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00008.html]より)
「歯周病安定期治療(SPT)」は定期検診と何が違うの?
それでは、定期検診とは何が違うのでしょうか。
・定期検診・メインテナンス
治癒した歯ぐきや顎の骨を長期的に維持するために行うのが定期検診の役割です。
主に、ご自宅での歯磨き「セルフケア」と歯科医院での歯のクリーニング「プロフェッショナルケア」の2つを行うことで維持できます。
・歯周病安定期治療
4mm以上の歯周ポケットがある、歯が動くが病状が安定しているケースに行う治療です。
2つの違いは、歯周病が治癒したか、そうではないかです。
「歯周病安定期治療(SPT)」を受けるメリット
定期的に治療を保険適用内で受けられる以外にも、メリットはたくさんあります。
- ・歯周病だけではなくむし歯の早期発見し、抑制することが期待できる
- ・歯ぎしりや食いしばりなどの習慣に気がつける
- ・食生活や歯磨きのタイミングなどの改善ができる
- ・定期的に歯のクリーニングができてスッキリする
- ・口臭を防ぐことができる
- ・正しいセルフケアが身につく
- ・全身疾患の発症や悪化を防ぐ
- ・費用が抑えられる
- ・自分の歯でいつまでも食事ができる
歯周病安定治療(SPT)では、必要に応じてレントゲンやポケットの測定検査を行います。そのため、自分では気が付かなかった小さな変化に気がつくことができ、早期治療につなげることが可能です。
むし歯は早期発見できれば、歯を削らなくても治癒することがあります。
むし歯を回避できれば、インプラントや、入れ歯などの義歯にする必要もありません。
このような治療にかかる費用を抑えることが可能です。
また、歯ぎしりや食いしばりなどの悪習慣を発見できれば、将来歯が割れたり、顎関節症になったりするリスクを回避できます。
生涯のお口と全身の健康のために「歯周病安定期治療」を
歯周病は歯を失うリスク第1位の疾患ですので、歯周病の悪化を防ぎ、安定したお口を維持する「歯周病安定期治療」に通うことは大切です。
甲府向町歯科では、歯周病基本治療の後、歯周病安定期治療を保険適用内で受けることができますので、お気軽にご相談ください。
(出典:厚生労働省_歯の喪失の原因[https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-002.html] より)
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫