虫歯を放置すると最後はどうなるの？
さまざまな理由から、「虫歯治療を中断している」「虫歯かもと思いながら通院しないまま時間が経過した」という方はいらっしゃいませんか？
虫歯は虫歯菌による感染症ですので、そのままにしていると、段階的に進行します。
自然に治ることはなく、少しずつ感染部分が拡大し、最終的に歯全体をむしばむことになるのです。
「歯１本くらい」「虫歯くらい」と思わずに、できるだけ早く歯科を受診して、適切なケアを受けましょう。
虫歯を放置するとどうなる？
虫歯菌は、治療しない限り、増殖を続けます。
虫歯を放置すると、どのようなことが起こるのでしょうか。
痛みが強くなる
虫歯は、段階的に進行します。
初期の段階（CO）では、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
虫歯が歯の一番外側にあるエナメル質に留まっている段階（C1）でも、痛みはないでしょう。
象牙質に感染が広がった段階（Ｃ2）になると、甘いものや冷たいものを食べると、しみるようになります。
この段階では、痛みを感じるのは、食べたり飲んだりしたときにのみに限られていますが、虫歯が歯の神経にまで達すると（Ｃ3）、何もしていなくても激しい痛みにおそわれます。
急に痛みだして驚く方もいらっしゃいますが、気付かないうちに虫歯が進行していたのです。
痛みには個人差があり、痛みがひどくて眠れないという方もいます。
神経が壊死する
虫歯が神経に達して、神経が炎症を起こすと、激しい痛みを伴います。
けれども、しばらくすると急に痛みがおさまるときがあります。
ただし、痛みがなくなったからといって、虫歯が治ったわけではありません。
歯の内部にある神経がすべて死んでしまい、痛みを伝える方法がなくなっただけなのです。
歯の痛みや飲食物の温度を感じなくなったら、神経の壊死を疑います。
一度壊死した神経は、時間が経っても、元通りにはなりません。
歯の神経には、
- ・痛みや刺激を伝える
- ・歯に栄養を送る
- ・細菌をやっつける
といった役割がありますので、歯の寿命を縮めることになるのです。
歯の根っこに膿が溜まる
歯の神経が死んでことで痛みがおさまりますが、虫歯菌がなくなったわけではありません。
そのままにしていると、歯の根の先端で炎症を起こし、周りの骨にも害を及ぼす「根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）」が起こります。
歯の根の先端で炎症が起こり膿が溜まることで、歯ぐきが腫れます。
膿が大量になると、痛みを伴うことも。
痛みが強い場合は、麻酔をかけて膿を出す処置が必要となります。
また、膿が目の下の空洞や副鼻腔に入り込むことで、腹部空炎や頭痛を引き起こすこともあるのです。
歯を失う
虫歯が進行すると、穴がどんどんと大きくなります。
最終的には歯の根しか残らず、ここまで進行すると被せ物を被せることもできないため、歯を抜いて、入れ歯やブリッジなどで補う治療を行います。
全身の不調を招く
歯の根の中にある虫歯菌が顎の骨の中に広がることで、「骨髄炎」が引き起こされます。
熱や嘔吐といった症状があらわれるため、風邪や感染症を疑いますが、その原因は虫歯の放置にあり、適切な治療を行わなければ、完治しません。
また、虫歯菌が血液に侵入して、血管を通じて全身に回ると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。
確率としては非常に稀ですが、実際に虫歯を放置したことで、死に至った症例も存在します。
虫歯は放置しても治る？
虫歯を放置していても、自然に治ることはありません。
放置すればするほど悪化して、完治まで時間がかかります。
初期の段階で発見できれば、歯を削る必要なく、ブラッシングやフッ素の塗布で元の状態に戻せる可能性があります。
治療が必要な場合でも、1〜2回程度で治療が終わり、患者様の負担も抑えられるのです。
けれども、虫歯が神経にまで達すると、歯の根の治療である「根管治療」を行います。
2017年度患者調査によると、全体の約18%の方が根管治療を受けています。
参考：厚生労働省 eヘルスネット「歯の神経の治療（根管治療）」より
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-016.html
根管治療は、感染した神経を取り除き、根管内部をを洗浄・消毒して、薬剤で密閉する治療です。
最後に被せ物を装着して歯の機能を補うまで、複数回に分けて治療を行います。
忙しくなったり面倒になったりして、治療を途中で中断してしまう方がいらっしゃいますが、途中でやめてしまうと、治療前よりも悪化するケースもあります。
虫歯治療は甲府向町歯科にご相談ください
虫歯の進行が進むと、抜歯が必要となり、患者様の心身の負担も大きくなることが予測されますので、虫歯は放置せずに、最後まで治療を行いましょう。
甲府向町歯科は、土曜17時・平日19時まで診療していて、お休みの日や通勤帰りなどライフスタイルに合わせて、無理なく通院できる歯医者です。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすもそのままお入りいただけますので、ご家族皆様で定期検診にお越しください。
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甲府向町歯科 院長 磯部 明夫